1994 Fiscal Year Annual Research Report
歯内治療後の根尖部および根尖周囲組織の治癒過程における血中由来カルシウムの分布
Project/Area Number |
06771790
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
西川 郁夫 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (30208152)
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Keywords | 根尖周囲組織 / 治癒過程 / カルシウム45 / オートラジオグラフィ |
Research Abstract |
本年度の研究課題の関連研究である断髄面直下の硬組織形成における全身循環由来のカルシウムの役割に関しては,その結果を取りまとめて,日本歯科保存学雑誌に投稿中である.その結果の概要は以下の通りである.すなわち,イヌの上下顎前臼歯の断髄処置直後からカルシウム45標識塩化カルシウム1.0ml(放射能濃度20μCi/ml)の静注による全身投与を12週間にわたり週2回間隔で継続して行った結果,断髄処置を行った歯から得られたオートラジオフラフィーで,投与したカルシウム45の新生硬組織への分布が明瞭に認められた. 上記の実験結果をふまえて,本年度の研究は,外部研究機関において現在遂行中である.なお,実験方法はほぼ計画調書の通りであるが,カルシウム45標識塩化カルシウムの投与方法は,連続12週間の投与ではなく,屠殺前4週間のみの投与とし,静注による投与では,1回当りの投与量を増して行っている.したがって,根管充填後の0-4,4-8,8-12週の各実験期間における根尖部および根尖周囲組織に分布するカルシウム45をオートラジオグラフィにより明らかにする予定である.この実験方法より,各実験期間での根尖部および根尖周囲組織の硬組織による修復時のカルシウムの局在がより明瞭になると思われる.今後はさらに実験を進め,出来る限り早期に実験結果をまとめ,学会において発表する予定である. 今後は,症例数を増やし,本実験で得られたオートラジオグラフィの黒化度についてコンピューターによる画像処理を行い,根尖部の治癒過程におけるカルシウムの局在をより詳細に検討する予定である.
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