1994 Fiscal Year Annual Research Report
家兎頬粘膜移植癌(VX2癌)の増殖過程における腫瘍血管の変化に関する実験的研究-臼後隆起部移植腫瘍の腫瘍血管について-
Project/Area Number |
06771850
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
瀬川 清 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20196934)
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Keywords | VX2癌 / 頬粘膜癌 / 臼後隆起 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
【実験方法】 (1)体重2000g前後の成熟雑系雄性家兎の数羽を用い、血管内に墨汁を注入して、正常な臼後隆起部の血管の走行についてH-E標本、透明標本を作成して観察した。 (2)家兎可移植癌(VX2 癌)を家兎の臼後隆起に移植して、経過日数(3日、7日、14日、21日)を経た兎を屠殺し、H-E標本を作成し、腫瘍の増殖過程を観察した。 (3)移植後,経過日数(同上)を経た家兎の血管内に墨汁を注入し、セロイジン包埋後に 100μmの厚切り切片を作成して、実体顕微鏡下に腫瘍の増殖態度と、腫瘍血管の構築を観察した。 【現在までの進行状況】 本実験において包埋材としてセロイジンを用いる計画であったが、平成5年12月分でセロイジンの製造、販売が中止となり、在庫分を使用し、その後代替商品を探した。その間の約4カ月は組織標本作製の包埋の前の段階で実験を中断せざるを得なくなった。平成6年7月末に、ほぼ同様の組成を有する代替商品として「コロジオン」を発見し、これを購入して以降の実験を継続している。血管の鋳型標本作製は、HE標本,透明標本による組織学的検索が終了後に行なう予定である。 【現在まで結果】 まず予備実験で臼後隆起部の移植部位として適正な位置を確認する目的で、臼後隆起の舌側、頬側、正中部に移植し、腫瘍の増殖態度について観察した。 (1)頬側に移植したものでは、頬粘膜方向への成長を示し (2)舌側に移植したものでは、咽頭方向への成長を示した。 (3)正中に移植したものは、舌側に類似した成長を示し、咽頭方向へ成長した。
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