1994 Fiscal Year Annual Research Report
ベニアポーセレンのクッション作用による接着疲労耐久性
Project/Area Number |
06771851
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
岡崎 美穂 奥羽大学, 歯学部, 助手 (20245012)
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Keywords | ベニアポーセレン / レジンセメント / クッション作用 / 弾性係数 / レジリエンス / 疲労試験 |
Research Abstract |
本実験は、ベニアポーセレンの破折が接着時に使用されるコンポジットレジンのクッション作用によりどの程度防止されるかを解明する目的で、コンポジットレジンの稠度および厚みを変化させ、抗折強さと弾性係数を求め、これらの値と繰り返し荷重による疲労試験の結果との相関性について実験を行った。 試料は、5×25×1mmのアパタイト片とベニアポーセレン片との間に、稠度の異なる2種のコンポジットレジンをサンドイッチ状に介在させ、ボンディング剤およびシランカップリング剤により接着し作製した。コンポジットレジン層の厚みは、70,150,300,500μmと変化させ、3点曲げ試験、疲労試験を行った。 稠度の違いにおいては、抗折強さ、弾性係数ともに有意差は見られなかったが、疲労試験では低稠度コンポジットレジンを使用した方が、破折に要する繰り返し荷重回数が多くなる傾向を示した。厚みの違いでは、300μmまでは有意差は見られなかったが、500μmのとき弾性係数が低下し、疲労破折に要する荷重回数も大幅に増加した。これらの結果は、コンポジットレジンのクッション作用により、試料自体の弾性係数が低下し、レジリエンスが大きくなったことによるものと思われる。 以上より、コンポジットレジンは低稠度の方がベニアポーセレンの破折防止に効果があり、コンポジットレジン層の厚みを増加し、表面材であるベニアポーセレンの1/2程度にすることで、その効果が顕著になることが示唆された。
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