1994 Fiscal Year Annual Research Report
上顎顎義歯装着者の構音機能回復-異常音声聴取傾向の経時的変化-
Project/Area Number |
06771853
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
浅井 政一 奥羽大学, 歯学部, 助手 (20254881)
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Keywords | 上顎顎義歯 / 異常音声聴取傾向 / 語明瞭度検査 |
Research Abstract |
目的 本研究では上顎欠損の分類法として用いられているHS分類を基に,顎義歯装着後の語音発語明瞭度検査を行い,異常音声聴取傾向の上顎欠損部位や欠損範囲との関連,および,その経時的変化を追究することを目的とした. 方法 上顎顎義歯装着者5名に対して,単音節を中心とした発音訓練を施し,3ケ月後における語音発語明瞭検査を行った.検者は聴覚に異常のない成人男性7名とした.聴取は日本語単音節100語を用い,静寂な個室にて行った.検査結果から異常音声聴取マトリックスを作成し,誤聴された単音節の経時的変化を追究した. 結果 発音訓練開始前の語音発語明瞭度は全被験者の平均が67.4%であった.発音訓練開始3ケ月後の平均は76.0%と正答率が8.6%上昇し改善が認められた. 子音の異常音声聴取マトリックスによると,/p/,/b/,/t∫/,/dz/,/g/の正答率が低い値を示した. 母音の異常音声聴取マトリックスによると,/i/,/e/を互いに誤聴する傾向があるものの,全体的には高い正答率を示した. 拗音の異常音声聴取マトリックスによると,音声訓練開始前と比較して正答率は上昇しているものの,平均正答率からみてさらに効果的な発音機能訓練が必要と思われた. 上顎欠損範囲の拡大に伴い,平均正答率は減少する傾向を示した.しかし,発音訓練3カ月後の異常音声聴取マトリックスをみると,正答率の著明な上昇がみられ,発音機能訓練の効果が示された.
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