1994 Fiscal Year Annual Research Report
キャスタブル・ガラス・セラミックスの耐摩耗性に関する研究
Project/Area Number |
06771890
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
安田 俊治 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50221643)
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Keywords | クラウン / 結晶化ガラス / キャスタブルセラミックス / 耐摩耗性 / セラミックス / 審美修復 |
Research Abstract |
口腔内の咀嚼運動を単純化した繰り返し滑走摩耗試験装置を用い,荷重量1Kgf,滑走距離5mm,滑走サイクル120回/分および滑走回数10000,50000,100000,200000回で摩耗試験を行った.直径5mmの研磨した12%金銀パラジウム合金球に対して審美的歯冠修復材料であるキャスタブセラミックス[リン酸カルシウム系結晶化ガラス(CP),ダイコア(DR),エンプレス(EM)]陶材焼き付け用ポーセレン(PC),CAD/CAM用セラミックスブロック(CE)および天然歯エナメル質(EN)を被摩耗試料とした.試験中は摩耗熱の発生防止,摩耗屑を除去するために流水下で行った.さらに,摩耗量と表面硬さとの関係を検討するために各試料の表面硬さを測定した.200000回後の被摩耗試料の摩耗深さはCPで最大値を示し,次いでENで両者間に有意の差があった.PCおよびCEはほぼ同量の摩耗量を示し0.4μm以下であった.DRはCEより摩耗量が少なく,EMはDRの約半分であった.CPは滑走回数ならびに表面粗さの増大に伴って摩耗深さおよび摩耗幅は共に増加したが,合金球を同種のCPに変えた場合の200000回後の摩耗深さは約1/5であった.これら審美的歯冠修復材料のなかでエナメル質より摩耗量が多いのは結晶化ガラスだけで,他の材料はいづれもエナメル質よりかなり少ない摩耗量であった.また,各試料の表面硬さ(ビッカース硬さ)を測定したところ,最大値を示したのはDRの研磨面で611,以下EM,PC,CE,DR(グレーズ面),CP(研摩面),CP(グレーズ面),ENの順で,CPグレーズ面とENはほぼ同値であった.これらの結果から摩耗両と表面硬さとの間には明確な相関性は認められなかったが,表面硬さの小さい試料では摩耗量が大きかった.現在各試料面の表面SEM観察中である.
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