1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト口腔扁平上皮癌におけるヒトパピローマウイルスの関与に関する研究
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06771916
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安井 淳 広島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90253096)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
1.頭頸部扁平上皮癌組織におけるヒトパピローマウイルスDNAの検索結果 頭頸部扁平上皮癌56例について,PCR法でHPV6型および11型DNAを検索した結果,HPV6型は検出されなかったが,HPV11型は舌癌の1例に検出された。対照として,検索した正常歯肉10例では,HPV6型と11型のいずれも検出されなかった。HPV16型DNAは,頭頸部扁平上皮癌の77例中26例(33.8%)に検出された。特に,喉頭癌では77.8%と高い検出率を示し,口腔癌では頬粘膜癌で57.1%と検出率が高かった。HPV18型は,77例中3例(3.9%)に検出されたが,その3例はすべて頬粘膜癌であり,頬粘膜癌に限定して考えると,42.9%と高率に検出されたことになる。対照として検索した正常歯肉10例ではいずれも検出されなかった。HPV16型と18型の両者が検出されたのは頬粘膜癌の2例で18型単独で検出されたのも頬粘膜癌の1例で認められた。頭頸部に発生する扁平上皮癌症例にも,HPVDNAの認められる例があり,特にHPV16型の検出率が高いことが明らかとなった。 2.口腔扁平上皮癌における染色体欠失についての検索結果 HF12-32をプローブとして,口腔扁平上皮癌における3番染色体短腕の欠失を検索した結果,11例中6例がinformative caseで,いずれの腫瘍組織にも,ヘテロ接合性の消失は認められなかった。また,YNZ22をプローブとして17番染色体短腕の欠失を検討した結果,8例がinformative caseであり,このうち6例に染色体欠失が認められた。以上の結果より,口腔扁平上皮癌における染色体欠失は,子宮頸癌とは異なり,3番染色体短腕の欠失頻度は低く,17番染色体短腕の欠失頻度の高いことが判明した。
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