1994 Fiscal Year Annual Research Report
実験的頬粘膜癌の増殖に関する腫瘍内血管・神経に関する研究
Project/Area Number |
06771932
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中村 貴司 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40237409)
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Keywords | VX_2癌 / 家兎 / 頬粘膜癌 / 移植 / 腫瘍内血管 / 腫瘍内神経 |
Research Abstract |
実験動物として,体重約2.0kg前後の家兎を用い,実験腫瘍として家兎に可移植性のVX_2癌を用いた.まず,家兎の大腿筋肉内よりVX_2癌組織を取り出し,EagleMEM培養液で生細胞数が5×10^5個1mlになるように調整した.そのうち,0.1mlを左頬粘膜下に注入し,移植後、5,10,15,20日で家兎を薬殺した.腫瘍内血管の検索として,VB-HE染色を、腫瘍内神経の検索にはUngewitterの尿素硝酸銀法のPowers改変法に上野が改良を加えた神経染色(1961)を施した. 本年はこのうち,5,10日例について検討した. 〈結果〉移植したVX_2癌は,家兎の頬粘膜下に着床し,経日的に増殖していた. 5日例:腫瘍細胞は静脈壁の一部を破壊し,静脈内へと浸潤していた.動脈の弾性線維の連続性は保たれており,腫瘍細胞による影響は認められなかった.神経線維は,一部に軽度の変性を認めたが,ほとんどが健常であった. 10日例:腫瘍内動脈の外壁に変性を認めるものが認められはじめ,内皮細胞の剥離が観察された.神経線維は,軽度な変性を示すものも多く,さらには強度な変性も認められはじめた.また,リンパ節転移も認められるようになってきた. 今後,15,20日例の検討を重ねる予定である.
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