1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06771940
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉田 俊一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60245636)
|
Keywords | 顎関節症 / 筋収縮抑制 / Exterrocepive Suppression |
Research Abstract |
顎関節症患者では本来備わっている、筋収縮抑制機能が障害されることにより、筋緊張が高まり種々の症状が発症するのではないかとの推定に基づいて、顎関節症患者のExterroceptive suppression (ES)を測定した。 咀嚼筋症状を主とする顎関節症患者10名と対照群として心身共に健常な5名を対象に測定を行った。測定法は被験者に持続的に一定以上の力で噛みしめを行わせながら、上下口唇部に付着させた皿電極で0.1Hz(10秒間隔)の頻度で刺激した。刺激は持続時間0.1ms、25mAの強さで行った。記録は咬筋より行い、整流後、10回加算し、平均値を求めた。筋収縮抑制量の算出は電気刺激に先行した随意収縮による筋電をバックグラウンドとしてES2の80%抑制の持続時間から行った。健常な対照群ではES2は平均44.5msecであるのに対し、顎関節症群では値のばらつきがやや多いが平均26.8msecと明らかな低下を示すことが判った。健常者群は値にばらつきが少なく、顎関節症群ではばらつきが多いことから、顎関節症群の中に筋収縮抑制が障害されているものと障害されていないものが含まれている可能性が考えられ、今後、筋収縮抑制障害と顎関節症の発症の関連を詳細に検討する必要性が示唆された。
|