1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラット舌咽神経の舌枝支配領域のairflow receptorの証明とその役割
Project/Area Number |
06771970
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山本 雅也 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (20200842)
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Keywords | 舌咽神経 / 上喉頭神経 / 輪状甲状筋 / airflow receptor |
Research Abstract |
ラットの舌咽神経の舌枝支配領域の口腔粘膜にairflow receptorが存在するか否か検討するとともに、同部へのairflow刺激により、喉頭における呼吸機能に密接にかかわる上喉頭神経の遠心性神経放電に影響を与えるかを検討した。実験にはWistar系ラットを用い、すべての個体において気管切開は行なわず、チオペンタールの腹腔内麻酔の後、保温パッド上で仰臥位に固定した。舌咽神経の舌枝および迷走神経の上喉頭神経の剖出は、手術用顕微鏡下で可及的に無傷で行なった。神経放電記録電極として絶縁被覆したタングステン微小電極の先端をフック状に加工したものを用い、分析を行った。その結果、ラット舌根部へのairflow刺激によって舌咽神経舌枝から感覚性応答が観察された。Airflow受容野は、ラットの舌後方1/3にあるintermolar eminenceの前縁と正中および舌側縁から口底移行部で境されていた。また、airflow刺激に対する単一神経応答は、自発放電を伴ったslowly adapting typeを示した。これらのことから、ラット舌根部においてairflow receptorの存在が証明された。 輪状甲状筋を支配する上喉頭神経外枝の遠心性神経放電は、麻酔深度による影響を受け、舌根部へのairflowによって、吸息期に同期した律動性の放電成分は影響を受けなかったものの、浅麻酔時に観察された持続性の放電成分は促進されることが明らかになった。これらのことから、食塊流入時の気流圧の変化が、舌根部のairflow receptorを通して中枢へ伝達されることにより輪状甲状筋の持続性筋活動を促進し梨状陥凹部を拡張させる可能性が示唆された。
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