1994 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における食事摂取障害の病態解明とその看護について
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06772236
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡部 充代 (深津 充代) 三重大学, 医療技術短期大学部, 助手 (30252373)
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Keywords | 高齢者 / 食事摂取障害 |
Research Abstract |
「食べる」ということは、人間の基本的ニードである。しかし加齢に伴い健康な老人であっても「食べる」過程のあらゆる機能が衰え、食事中に食物の気管内への誤嚥や、流涎、嘔吐などが起こり、食べる楽しみが半減することもある。本研究は食事摂取障害を有さない老人に対し、「食べる」過程の機能低下の部分を明らかにし、老人の食事摂取が円滑に行われるようにするための目的で行った。 老人保健施設に入所している老人40名に対し、看護婦や介護福祉士の協力により現病歴、既往歴、日常生活動作などについてアンケート調査を行うとともに、食事中の状態を観察した。さらに同意を得られた者2名について胃食道内圧測定と食道pHモニターを行った。 現病歴からは、四肢に麻痺のある者は多いが嚥下障害はなく、車椅子に乗り介助されながら30分位の時間をかけて食事をしている。食事中の会話は少なく、実際の食事中ほとんどの者は誤嚥や流涎を認めなかった。少数ではあるが、食物を口に含んでいる時に同時に水分を摂取したときや10分くらいで食事を終わらせる者にむせこみがみられた。胃食道内圧測定と食道pHモニターについては被検者が2名と少なく老人に起こる機能的変化をとらえることができなかった。 食事をする際に気をつけることは、姿勢と食事内容、食べる早さであることは知られているが、これは誰にでもいえることである。加齢により口腔内、嚥下機能などの機能低下があることは明らかであるが、その他の機能からも食事摂取障害の原因があると考え今後もこの研究を進めていきたい。
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