1994 Fiscal Year Annual Research Report
基本健康診査未受診者の追跡調査による対象者の実態に関する研究
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06772247
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Research Institution | Ehime College of Health Science |
Principal Investigator |
藤田 真理子 愛媛県立医療技術短期大学, 専攻科, 講師 (90238585)
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Keywords | 基本健康診査 / 未受診 / 健診対象者 / 保健ニーズ / 老人保健法 |
Research Abstract |
1.住民基本台帳に基づく基本健康診査対象年齢の者のうち未受診者の性・年齢的特徴の分析 I市U地区の45歳以上の住民を住民基本台帳より2773名抽出し、過去10年間の基本健診受診状況について分析した結果、10年間1度も受診していない者は約6割を占め、男性では45〜49歳が89.0%、50-54歳が79.6%と高く、70-74歳が最も低く52.9%であった。女性では79歳までは年齢による格差があまり認められず、平均すると47.7%であった。 2.基本健康診査未受診者の保健ニーズの分析 (1),基本健診対象年齢のうち5年間1度も受診していない者1672名に対して郵送法によるアンケート調査を実施した。調査の内容は、職業、医療保健の種類、勤務形態、職場の規模、職場検診の有無と内容、検診の受診状況、未受診理由、健康状態、保健行動等とした。(2),調査の結果 (1)会社等の勤務者・事業所組織の自営業のうち職場検診がある者が86.2%であった。勤務形態別で職場検診のある者は、常勤93.1%に対してパート58.6%、臨時64.7%と低かった。職場検診のある者では、92.4%が1年以内に職場検診を受けていたのに対し、ない者では38.2%と低かった。職場検診の内容は成人病検診は95.5%と高かったが、がん検診は最も高い胃がんでも37.7%であった。(2)職場検診がない自営業・農業・主婦・無職等は未受診者全体の59.6%を占めた。そのうち1年以内に健診を受診した者は38.9%で、内容は成人病93.7%、胃がん50.7%であった。5年間健診を受けていない者は35.9%で、その理由は通院中31.9%、どこも悪くない26.2%であった。(3)性年齢別に健診受診状況を分析し、基本健診の対象者の査定と各層の保健ニーズについて分析を行った結果、健診受診者は50歳以上で加齢とともに減少し、未受診理由では治療中が60-89歳に多かった。また60-64歳では健康情報の収集や過労・塩分等への注意を行う等保健ニーズが高いことが考えられた。
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