1994 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ・グラフィックスを用いたスポーツ動作情報の可視化の試み
Project/Area Number |
06780096
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Research Institution | Tokyo University of Information Sciences |
Principal Investigator |
石井 政弘 東京情報大学, 経営情報学部, 助手 (60222949)
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Keywords | コンピュータ・グラフィックス / フィードバック / 運動学習 |
Research Abstract |
スポーツ・体育学における研究成果は、数的表現や平面的なグラフによるところが大きく実際のスポーツ・体育の現場へその内容を還元することが十分ではないと思われる。そこで、意図的で質的量的な再構成を行うことが可能なCG(コンピュータ・グラフィックス)を用いて、バイオメカニカルな研究成果を実際のスポーツ・体育の現場へ、還元する方法を検討した。具体的な研究実績は以下の2つである。 1)CGを用いたテニスにおけるラリーパターンの分析システムの研究 テニスにおける、より効果的なスポーツ技能修得ための練習・指導方法の一つとして、ラリー中におけるボール軌跡、練習者の移動軌跡、および、それらの時間的関係等をすばやく分析し、空間的、時間的情報をCGを用いて選手あるいは指導者に視覚的フィードバック情報として数分内に還元するためのシステムを試作した。その結果、少なくとも本実験で用いた大学生同好会レベルでの被験者に対しては、システム全体の有効性、妥当性、信頼性といった観点からは十分意味のあるものと判断された。 2)CGを用いた棒高跳の突込み・踏切り動作の指導および分析への応用 複雑で競技者がその動作を理解しにくい陸上競技跳躍の棒高跳の「突込みから踏切り」までを、選手により効果的に理解させ練習・指導に有効な方法と成りうるかを検討した。高校生、大学生の選手を対象にして、その練習過程において動作を三次元的映像分析からわかりやすいCG表現に置き換え、選手に対して理想動作と同時に自己の動作のフィードバック情報として与え、内省報告やパフォーマンスの変化を比較検討した。その成果の一つとして、棒高跳をはじめて10ヶ月と短期間で女子室内日本新記録(3m00全日本選抜新居町大会2位1995.3.19)を記録した大学女子選手や練習中の記録ではあるが半年間で50cm程度の記録の向上をさせる選手もいた。研究発表に関しては現在整理中である。
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Research Products
(1 results)