1994 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ潜水(スキューバダイビング)における事故の分析と安全対策に関する研究
Project/Area Number |
06780108
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Research Institution | Shikoku Gakuin University |
Principal Investigator |
漆原 光徳 四国学院大学, 教養部, 助教授 (50193975)
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Keywords | 潜水事故 / 指導体制の確立 / 安全教育の徹底 |
Research Abstract |
平成6年度科学研究費補助金の交付により、貴重な潜水事故資料の収集及び海上保安庁レスキューダイバー、あるいは各ダイビング団体所属のプロダイバー達よりの詳細な聞き取り、また現場での実地調査をすることができた。設備備品費は主に、ダイビングポイントにおいて海岸付近あるいは船上,水中を撮影した8mmビデオテープを編集するためのビデオデッキ、及び携帯用ワードプロセッサーの購入にあてた。一般に潜水事故関係の資料を海上保安庁、あるいは各ダイビング団体等で閲覧した場合、部外持ち出し禁止で、現物のコピーは許されないため、このノート型ワープロにその場でデータを打ち込めたのは、資料収集において大変有効であった。また、プロダイバー等より聞き取りをする場合にも、現地へ持参し、入力、プリントアウトができたため、研究の効率が極めて上がった。旅費は、四国沿岸、沖縄近海のダイビングポイントでの事故調査やスクールでの指導内容の実態調査にあてた。謝金は、潜水事故に関わる文献の複写あるいは資料のコンピュータ入力、また撮影ビデオテープやスライドフィルムの編集・整理のための人件費及び謝礼として使用した。 今回の調査・研究で、スキューバダイビング事故の約8割が人為的ミスであり、殆どの事例が、ダイバー自身の“安全"に対する知識,技能,配慮の欠如であることが判った。このような状況を形成している原因として、指導者(インストラクター)の資質の問題と、ダイビング団体の安全を度外視した営利第一主義の問題があると思われる。従って今後スキューバダイビングが、生涯スポーツあるいは大衆スポーツとして定着していくためには、文部省あるいは日本体育協会といった公的機関の指導のもとに、“指導体制の確立"並びに“安全教育の徹底"をする事が急務であると思われる。そうでなければ、今後、さらに重大潜水事故の増加が予想される。
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