1994 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ構造を持った非凸型関数最適化問題とその社会システムへの応用
Project/Area Number |
06780363
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢島 安敏 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 講師 (80231645)
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Keywords | 非凸型問題 / 大域的最的化 / 2次割当問題 / 双線形計画問題 |
Research Abstract |
本研究では、非凸計画問題の一つである、双線形計画問題により2次割当問題と呼ばれる組合せ問題に対し定式化を行ない、最適化算法の開発、およびその実用性の実証研究を行った。 まず、双線形計画問題の最適解の性質と、目的関数の固有値構造を利用すれば、2次割当問題といった離散的な組合せ問題も、双線形計画問題の形で、連続的な最適問題の枠組で定式化が可能であることを示した。次に、双線形計画に対するパラメータ解法、さらには、ネットワークや組合せ的な構造を持った制約条件や最適化に際しては、これらを効率良く扱う数理計画手法を援助し、最新のプログラミング手法を用いることで、コンピュータプログラムを作成した。合わせて、問題の固有値構造を使うことで、近似算法を提案し、これに対してもコンピュータプログラムを作成した。ワークステーションを使った数値実験の結果、変数が数十万程度の大規模な問題も実用的な時間内で高精度の解を算出できることが確認された。 この研究で得られた成果は、単に2次割当問題の新解法を提案したことに留まらず、従来2次割当問題に代表される理論的にもまた実際にも計算が困難なクラスに属する問題に対して、全く新しい方向からのアプローチをとったことにある。すなわち、離散的な問題に対し非凸型最適化問題が極めて有効な手法になり得ることを示唆する結果となったことである。特に、固有値構造を用いた近似算法は、計算時間が少ない上に、得られる解の制度が高く、実用上有効なアプローチであると考えることができる。
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