1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質カルナミシンB_1の合成と構造活性相関の研究
Project/Area Number |
06780473
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
梅村 一之 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (90221811)
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Keywords | 抗生物質 / カルナミシン / 3-ヒドロキシピリジン / 全合成 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
抗生物質カルナミシンB_1がピリジン環とチアゾール環の二つの骨格から成ることから、各々を別途合成した後カップリングによる合成を合成戦略として研究を進めた。 1.まず、2-位に炭素数5個のアルキル側鎖を持つチアゾール骨格の合成は、レブリン酸を出発物質として数行程で得られるペンテニルアイオダイド誘導体とチオアミドとクロロアセトニトリルを出発物質として合成した2,4-ジブロモチアゾールをエーテル中ブチルリチウム存在下カップリングさせることにより合成に成功した。 2.一方、4,5-位にメトキシ基を持つ3-ヒドロキシピリジン骨格の構築はジグリコール酸エステルとシュウ酸エステルの縮合によって得られる3,4-ジメトキシフラン誘導体からのピリジン誘導体への変換を検討した。メトキシ基を持たないフラン誘導体では、電解反応を鍵反応としたピリジン骨格への変換が有効であったが、3,4-ジメトキシフラン誘導体からの反応では、反応系が複雑となり、目的とするピリジン誘導体を確認することは出来なかった。そこで、電解反応からメタノール中臭素を作用させる反応条件下3,4-ジメトキシフラン誘導体を処理した後、還元、酸処理によるピリジン骨格への変換を試みたところ、目的とする4,5-ジメトキシ-3-ヒドロキシピリジンが高収率で得られることを確認した。これは、フランからの3-ヒドロキシピリジンへの新たな変換方法を開拓したことになる。 現在、上記の結果を基に、ピリジン骨格とチアゾール誘導体のカップリングを試み、カルナミシンB_1の全合成を進めると共に、合成フラグメントを用いた構造活性相関の研究を進めている。
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