1994 Fiscal Year Annual Research Report
レオナルド・ダ・ヴィンチの「人体比例論」研究-その幾何学的背景の再構築-
Project/Area Number |
06801009
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Research Institution | Sapporo School of the Arts |
Principal Investigator |
向川 惣一 札幌市立高等専門学校, インダストリアルデザイン学科, 助教授 (80239459)
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Keywords | レイナルド・ダ・ヴィンチ / 人体比例論 / 『人体権衡図』 / 幾何学的解析 / 等比数列 / 黄金分割 / 相貌 / 上唇中央部 |
Research Abstract |
本研究の目的はレオナルド・ダ・ヴィンチの「人体比例論」全体の背景にある数学的な意味を明らかにすることを目的としている。研究の目的において既に記述しているように〈美術史〉第129冊、札幌市立高等専門学校紀要創刊号でレオナルドの『人体権衡図』の持つ幾何学的特質と作図方法について取り扱ってきた。上記の研究でこの図が黄金分割を使って作図されたことが瞭らかにされたがレオナルド自身の他の研究、特に幾何学研究の背景との関連性についての詳細は特に明らかにはなっていなかった。 研究実施計画において記述したように、本研究ではレオナルドのファクシミリ版手稿の該当箇所のデータ化と幾何学的解析の環境整備を当初は予定していた。平成5年における在外研究において新たに、上記の論文執筆時に解決できなかった問題点を検討する糸口をえた。このため平成6年度の研究計画における画像処理システムを使ったソフトウェアー開発を変更し、未検討であった『人体権衡図』の相貌の特長の幾何学的な解析を行なっている。 この『人体権衡図』の相貌の幾何学的な解析により、頸部に引かれた孤が上唇中央部を中心とする円の円周の一部であることが瞭らかになっている。この点を中心とする頭部に引かれた比例の基準線はこの円を単位円とするとき、黄金分割の等比数列を形作っていることが瞭らかになっている。
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Research Products
(1 results)