1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06801061
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
霧生 和夫 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60008638)
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Keywords | バルザック / コンコーダンス / テクスト・データベース / FRANTEXT |
Research Abstract |
過去に配分を受けた科学研究費によって、バルザックの『人間喜劇』のコンコーダンスが電子的に完成したのは、平成五年のことである。現在このコンコーダンスはフロッピ-・ディスク150枚に収まっている。研究計画書でも述べたように、平成六年度の計画は、「データの拡張」、すなわち小説作品以外のバルザックのテクストをコンコーダンスに編入するため、OCRなどを利用して、これらを入力することであった。 バルザックは多くに書簡を残した。これらは日記を付ける習慣を持たなかったこの小説家を研究する際、不可欠の貴重な参考文献である。死ぬ五カ月前にバルザック夫人となったポーランドの貴族ハンスカ夫人あての書簡は、全四巻の分厚い書簡集にまとめられている。また家族などを含むその他の書簡は、別の出版社から全五巻刊行されている。合わせて九巻になる。これらを入力した。まず、ハンスカ夫人宛の書簡は、そのすべてをOCRで入力した。その際、謝金により資料整理を手伝ってもらったのは、仕事をおおいに捗らせた。必然的に残る機械的誤読は、手作業で訂正した。一方、その他の書簡については、『人間喜劇』のデータを提供したフランスのデータベースFRANTEXTから、その見返りとして、全五巻のうち最初の四巻のデータが提供された。したがってOCRによる入力は、第五巻のみに限られた。 以上のような経過により、予定通り、書簡データの入力は完成した。来年度のために残されている作業は、これをコンコーダンスに編成し、『人間喜劇』を併せて、そのすべてをCD-ROM化することである。
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