1994 Fiscal Year Annual Research Report
希土類-鉄金属間化合物の鉄副格子の磁気異方性についての研究
Project/Area Number |
06805003
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神森 達雄 愛媛大学, 理学部, 助教授 (40136304)
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Keywords | 金属間化合物 / 磁性 / キュリー温度 / 鉄副格子 |
Research Abstract |
希土類に非磁性のイットリウム(Y)を選び、Y-鉄金属間化合物の鉄の一部を非磁性の元素で置換することによって鉄副格子の磁性の変化を調べた。Y2鉄17金属間化合物の鉄を硅素(Si),アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)で4原子置換することにより結晶構造が六方晶から斜方面体晶へ変化し、それに伴いAl、Gaの置換する結晶中のサイトが顕著に変化することを見いだした(硅素で置換できる原子数は3.5であった)。またキュリー温度が置換非磁性元素に係わらず置換量4まで置換によって上昇し、それ以上では(Siを除く)置換とともに減少する現象を見いだした。これら2つの現象は置換量に対する振る舞いが完全に一致している。一方置換による格子定数の変化、即ち鉄-鉄間距離の変化、はAl、Ga置換では単調増加であるがSiでは単調減少である。このことは「希土類2鉄17金属間化合物のキュリー温度は格子を膨張させることにより上昇する」の通説を覆うものである。課題の磁気異方性についての結果は現在出ていないが、上記のように通説に反する結果を得、萌芽的研究であると考える。なお研究発表の第一著者は博士課程の学生につき研究分担者欄に記されていない。
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Research Products
(1 results)