1994 Fiscal Year Annual Research Report
高令居住者を対象とした分譲共同受託の修繕・改善・建替え手法の新開発
Project/Area Number |
06805055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Otani Joshi Tankidaigaku |
Principal Investigator |
藤本 佳子 大谷女子短期大学, 家政学科, 教授 (30123540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 昌子 関西大学, 工学部建築学科, 助手
|
Keywords | 居住者 / 高令者 / 区分所有者 / 修繕 / 建替え / 改善 / 大規模修繕 / 分譲共同住宅 |
Research Abstract |
区分所有者による分譲共同住宅における修繕・改善・建替えに対する意向調査 目的 建築後十数年経過した分譲共同住宅(以後マンションと称す)では、老朽化も進み修繕や改善あるいは建替えなどが行われている。そこで、マンションの居住者が修繕や改善、建替えについてどのように考えているか、また今後これらがスムーズに実施されるためにはどのように管理組合を運営すればよいかを明らかにする。 方法 1994年に大阪府・京都府・兵庫県のマンション10ケ所(竣工年S46年からS53年、住戸数100戸から120戸、平均専有床面積約50m^2から100m^2)の居住者全員を対象に修繕・改善・建替えについてアンケート調査を実施した。(配付数3,560票・回収数934票・回収率26%) 結果 過去の修繕・改善については管理組合により修繕計画が立てられ、費用は修繕積立金でまかない、一時金徴収のないところがほとんどである。それに対し居住者の多くは修繕・改善について、管理組合まかせの傾向がある。建替えについては、「現時点では不必要だが将来の建物の老朽化を考えると必要」と思っている居住者が大半である。しかし資金問題・法的問題など、クリアするのに困難な問題も多く、今後の建替え問題に対し、参加意識は消極的な傾向にある。入居年数の浅い居住者や65歳以上の居住者は、管理に対しても関心が薄いように思われる。年数がたつにつれ建物が老朽化し、「管理」が重要となるのに対し、居住者の「管理」意識が薄いのは問題である。管理組合理事に「管理」を任せるのではなく、居住者全員が管理組合の一員としての自覚をもち、積極的に管理に目を向け協力していくことが、修繕・改善・建替えなどをスムーズに実施していく上で必要と思われる。
|