1995 Fiscal Year Annual Research Report
エチレンオキサイドガス滅菌と作業環境管理-残留濃度と作業安全に関する基礎的研究-
Project/Area Number |
06807037
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
古畑 貞彦 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (00252106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 チエ子 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (90092858)
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Keywords | エチレンオキサイド滅菌 / 作業環境管理 / 残留エチレンオキサイド / 作業安全 / 放出エチレンオキサイド / エアレーション |
Research Abstract |
病院でおこなわれるエチレンオキサイド(E0)ガス滅菌における業務の安全管理上,滅菌後のエアレーションにおいて作業者や作業環境に及ぼす影響を実験的に検討するため,ポリビニルクロライド(PVC)とシリコンゴム(シリコン)の,それぞれの材質からなる医療用チューブを対象として放出濃度と残留濃度、環境濃度を測定した。 滅菌直後のシリコンでは,(OFP以下同じ)放出濃度は370ppmであり,エアレーション時間は40℃・60℃加温条件では温度が高いほうが短縮される傾向があったが有意な差はなかった。PVCでは,減菌直後で5,000ppm以上の放出濃度を認め,エアレーション時間は40℃・60℃加温条件では温度が高い方がエアレーション効果が高く,温度によって有為な差を認めた。また,40℃・60℃加温時ともに換気回数の増加によりエアレーション効果は上がり、60℃加温時の方がより効果的であった。 残留濃度では,40℃(60回/時間)の加温強制換気のPVCでは、放出濃度が5ppm以下になった時点で513ppmであった。また,同じPVCを25℃で強制換気したところ,放出濃度が5ppm以下になった時点でも5,000ppm以上あった。温度を高くすると吸着されたEOが脱気されやすくなり、エアレーション効果を上げることができる。これに対し,25℃ではエアレーションがほとんどされないことがわかった。 滅菌直後のPVCを60℃加温状態で室内放置した場合,放置10数分後には作業環境濃度は最高検出濃度で16.835ppmが確認され,EO濃度が1ppm以下に減少するのに最長で4時間12分要した。8時間荷重平均(TAW)値で1.195ppmとなった。残留したEOによって作業環境が許容濃度以上に汚染されることもあるので,作業環境内の換気についての配慮も重要である結果となった。
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