新腫瘍イメージングとしての^<19>F-MRIの基礎的検討と治療効果判定

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06807073
• Research Institution: UNIVERSITY OF TOKUSHIMA
• Principal Investigator: 西谷 弘 徳島大学, 医学部, 教授 (50117206)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 三好 弘一 徳島大学, 医療技術短期大学部, 助手 (90229906) ; 原田 雅史 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20228654)
• Keywords: ^<19>F-MRI / 5-FU / ^<19>F-MRS / 腫瘍 / 治療評価 / MRI

Research Abstract

1.^<19>F-MRIの画像化について
^<19>F-MRIの撮像では、表面コイルを使用するためにSE法での180度パルスの設定が正確に行えず、画像化は困難であった。そこで、GE法の一種であるFISPを用いて画像化を試みた。撮像条件は、TR=50ms,TE=7.5ms,Flip angle=10度で画像化が可能であり、Image scaleは手動でして10-15程度が適当であった。異なる濃度の5-FUファントムでは、画像化の測定限界は、500ml溶液中1000mg程度であり、濃度で約20mMであった。得られた画像は、表面コイルの感度分布に応じて、コイル中心に高感度域を有し、信号取得深度は、約4cmが限界であった。これは、^1HによるMRIとほぼ同様の結果であった。
2.^<19>F-MRSによる腫瘍の治療評価判定について
臨床患者において、肝臓と膀胱で^<19>F-MR spectraの取得が可能であったが、画像化には十分な信号強度が得られなかった。腫瘍は十分なsizeの症例がなかったため、ratの移植腫瘍について検討した。rat腹部の皮下に移植した腫瘍では、5-FUのpeakが高く認められ、減衰が非常に緩徐であった。抗腫瘍効果を示唆するFnct自身は認められなかった。腫瘍の縮小に従って、5-FUのpeakは低くなるが、今回定量的な検討は行えていない。5-FUの減少は、治療効果によって早くなる傾向にあった。肝腫瘤を形成したratについても^<19>F-MRSの測定を行い、5-FUの減少が遅くなる傾向を認めた。これは、他の肝障害ratで5-FUの減少には差が少ないことから、腫瘍への5-FUの取り込みと保持を示唆する所見と考えられた。これらの所見と治療効果との比較は今回行えていないが、5-FUの濃度と抗腫瘍効果にはdose-dependentな傾向があるため、5-FUの信号の定量化と減少率から治療評価判定が可能と推察された。