1995 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる分子拡散計測法を用いた眼内水循環動態の解明
Project/Area Number |
06807139
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
古村 俊人 関西医科大学, 医学部, 助手 (40199443)
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Keywords | MRI / 眼内水循環 / 拡散係数 / 異方性 |
Research Abstract |
平成6年度に行った有色家兎を対象とした実験では、眼内水拡散の異方性が認められた一群と、認められなかった一群があった。本研究の目的の一つは、異方性の存在を証明する事にあるので、本年度は、この点に関し、追試を行ってみた。前年度と同様の結果が得られ、はっきりと異方性の存在を証明できなかった。 この理由は、主としてMRI拡散計測プログラムの問題による。すなわち、現在の計測時間では対象動物の体動・眼球運動による影響が強く出る為である(motion artifact)。計測時間を短時間に設定するとmotion artifactは抑えられるが、信号強度が低くなり、拡散係数の測定精度が低下する。一方、充分な信号強度を得られる時間に設定すると、その間の眼球運動の影響は強くなってしまい、眼球内の水の動きを計測する予定が、その器である眼球そのものの動きによって修飾される結果となった。 これを解決するには、対象動物の固定のみならず、生体のままの眼球そのものの固定方法の開発と、眼球運動の影響を受けない程に高速な撮像方の開発が必要である。前者については、アクリル樹脂等による固定具を開発中であり、後者については、エコープランナー法等を用いた高速撮像プログラムを開発中である。 よって、平成7年度は、当初予定していた実験は行えず、実験手法の改良に携わっていた。拡散計測プログラムに信頼がおけないままに新たな実験は始められない。現在は、動物実験、臨床研究ともに一時中断し、測定方法の改良を行っている段階である。
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