1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06807146
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Research Institution | Matsumoto Dental College |
Principal Investigator |
熊井 敏文 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (30104871)
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Keywords | EEG / 電気味覚 / ベクトル合成 |
Research Abstract |
前年度に構築した記録システムを用い本年度は実際の脳波記録を行ってみた。電位は最も基本的な前頭部、後頭部、左右側頭部、頭頂部、の計5カ所より導出された。刺激として光(フラッシュ)、音(クリック)、手首の電気刺激を行い基本的な応答様式を確認した後、舌上への電気刺激に対する脳波応答を検証した。 最も安定した応答は光刺激に対する脳波で後頭部より4コの長潜時の陽性波(最大は110msec)が全被検者で観察された。左右の刺激で脳波波形に大きな差は観られなかった。左右の音刺激では主に頭頂部と左側頭部に3個程の長潜時の陽性電位が現れたが、10msec以内の短潜時の波形に関してピークはあまりハッキリ識別できなかった。手首の電気刺激では4個程の長潜時の陽性波形が誘発されたが波形はかなり複雑で個人差も大きかった。部位的には後頭部以外に広く出現した。 舌背への電気刺激に対する応答は被検者により大きく異なったが、長潜時の陽性波が300msec以内に3-4個誘発された。部位的には後頭部以外に広く誘発され、その内頭頂部のものが最も大きかった。これらの波形をベクトル合成すると特徴がよりハッキリし、合成波形は片側の刺激に対しても脳の左右で誘発電位に余り差はないことを示していた。舌背刺激での頭頂部への誘発は内側に関連中枢が入り込んでいることと関係があると思われる。 以上の実験において各波形のピーク部分はそれぞれの脳内におけるシナプス接続部の違いを表現していると思われるが舌上への電気刺激では、光や音刺激にくらべてシナプス連絡が非常に複雑なことを示唆している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kumai, T. and Nomura, H.: "Vector EMG pattern among the anterior, middle, and posterior parts of the temporalis muscle in gum chewing" Brain and oral functions. 1. 543-547 (1995)