1995 Fiscal Year Annual Research Report
唾液によるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染についての基礎的研究
Project/Area Number |
06807157
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇佐美 雄司 名古屋大学, 医学部, 助手 (20193857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大須賀 伸二 名古屋大学, 医学部, 助手 (00262907)
|
Keywords | ヒト免疫不全ウイルス / 唾液 / PCR / 分泌型IgA |
Research Abstract |
名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科に通医しているHIV感染者対して口腔症状の発現について調査するとともに、全唾液を採取してnested-PCRによりHIVプロウイルスDNAの検出を試みた。なお、対照として非感染者からも同様に唾液を採取した。その結果、CD4陽性リンパ球数が500/mm^3以上および200/mm^3未満のHIV感染者から採取した唾液からはプロウイルスDNAは検出されなかった。しかしながら、CD4陽性リンパ球数が500mm^3未満200/mm^3以上の群の57%からプロウイルスDNAが検出された。また、唾液中の血液の混入を潜血用試験紙を用いて調べた結果ではヘモグロビンが2.5mg/dl以上混入していた検体において高率でプロウイルスが検出された。しかしヘモグロビンの混入がそれ以下の唾液からはプロウイルスDNAは検出されなかった。 観察期間中、HIV関連口腔症状は口腔カンジダ症がわずかにみられたに過ぎなくプロウイルスDNAの検出との関係はないと思われた。現在、さらにHIV-RNA検出をPCRを用いて試みている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 宇佐美雄司: "HIV感染者における唾液中の分泌型S-IgAについて" HIV感染者発症予防・治療に関する研究班平成六年度研究報告書. 185-190 (1995)
-
[Publications] 宇佐美雄司: "エイズと口腔症状" 日経メディカル. 320. 147-150 (1995)
-
[Publications] Takao Katsuragawa: "Study of oral immunity in HIV-infected hemophiliacs" AIDS Research Newsletter. 8. 127 (1995)
-
[Publications] 新美直哉: "HIV感染血友病患者の唾液中のHIV-1プロウイルスDNAの検出" HIV感染者発症予防・治療に関する研究班平成七年度研究報告書. (印刷中). (1996)
-
[Publications] Naoya Niimi: "Defection of HIV-1 Proviral DNA in saliva of HIV-1 infected hemophiliacpatieino" AIDS Research Newsletter. (in press). (1996)
-
[Publications] 宇佐美雄司: "HIV感染者の周辺 3)歯科口腔外科の立場から" 化学療法の領域. 10. 1911-1919 (1994)