1995 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物二酸化炭素のセメント吹付け工法への適用について
Project/Area Number |
06838009
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 健夫 広島工業大学, 工学部, 教授 (40087953)
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Keywords | セメント吹付け工法 / 二酸化炭素 / 早期強度 / 一軸圧縮強度 / トンネル |
Research Abstract |
セメント吹付け工法における早強性の効果を大きくするため、去年の研究は、吹付けモルタルの水セメント比を最小にした流動性の少ない配合で実施したが、流速が少なかった。そこで能率が悪く供試体を作成するのに長時間を要し、厚層の吹付けは困難であり、吹付け終了時には、極端な場合は初期の吹付け部分は硬化しており、不均一な吹付け状態になった。そこで本年は、トンネルの吹付現場を見学し、その作業要領より検討し、流動性の高い水セメント比57〜60%にして実施したところ流速が大になり吹付け厚20cmも可能となった。また、吹付け要素について、吹付け気体中の二酸化炭素の濃度を0%、20%、50%、100%、養生温度を10℃、20℃、セメントの練り混ぜ水の温度を10℃、80℃と変えて実施し、供試体を作成し、一軸圧縮強度を測定した。また、使用したリスタガンのノズルを用いれば骨材の粒径の変化による内部まさつ角の拡大に伴う強度の増加も図れる。実験中の諸状態について、ポ-タブル赤外線二酸化炭素測定器により測定した。二酸化炭素は吹付け供試体と共にビニール袋に入れておくと、段々二酸化炭素濃度が減少し、ある材令では空気中より低い濃度まで減少する。電子顕微鏡による3万倍で、セメント、土、水を混合し養生したものを観察したことろ、二酸化炭素を添加したものは未添加に比べて複雑な結晶の生成が認められ、二酸化炭素による早強性発揮の根拠が得られた。以上の知見により、研究が大幅に進展し、セメント水和物に二酸化炭素添加による有効性が判明した。
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