1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06839024
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
森沢 幸子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60100971)
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Keywords | 無鍔類 / ヌタウナギ / 生殖 |
Research Abstract |
ヌタウナギの生殖機構の解明を目指す本研究では、今年度は総合的に、1)確実に成熟配偶子を得る手段をさぐり、2)精子の先体反応を誘起し、3)精子の運動性を解析し、また4)卵形成、特に卵門の形成の電子顕微鏡的研究を進める、などの必要不可欠な基礎的研究を行い、また5)腹腔に排卵された卵の媒精を試みた。1)については、ホルモンなどの注射による、人為的生殖巣成熟、排卵、排精の促進を試みた。レンギョ脳下垂体、サケ科魚類生殖ホルモン物質、hCG等の単独継続投与等は、今期に於いては特に有効とは認めがたかった。一方、一定の体長の個体は自然の生殖期に成熟配偶子を持つことが確認された。本研究のためには体長約50cmの雌雄個体を多く採集飼育することが基本的と考えられる。2)精子先体反応では、先体胞開裂の初期的像を得ており、さらに海産無脊椎動物の多くで先体反応誘起に有効なCa^<2+>イオノフォアA23187,イオノマイシンの効果を検討中である。3)精子運動性は、浸透圧、pH等、数種試薬の効果も含めて、現在解析を進めている。4)卵形成については、巨視的、光学顕微鏡的、電子顕微鏡的に月を追って標本を作製してきた。今期で卵門形成の大筋をつかめそうである。硬骨魚類の卵門とは構造も形成過程もかなり異なる像が得られている。5)受精は起こらなかったが、両配偶子の状態など人工受精成功への工夫のヒントをえられた。精子微細構造については、国際学会で発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] MORISAWA,S.: "Fine structure of the hagfish(Eptatretus burgeri)spermatozoa" Seventh International Symposium on Spermatology(Bradrey,M.and Cummins,J.ed.). 5.25-5.26 (1994)
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[Publications] INABA,K.: "Localization of multicatalytic proteinases(proteasomes)to an accessory structure of flagellar axoneme in chum salmon" Seventh International Symposium on Spermatology(Bradrey.M.and Cummins,J.ed.). 8.3-8.4 (1994)
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[Publications] KASAHARA,K.: "Bicchemical characterization of sperm flagellar sky chains" Zool.Sci.(Supplement). 11. 45 (1994)