1994 Fiscal Year Annual Research Report
流通変容メカニズムの歴史的解明-近代朝鮮の変容を事例として-
Project/Area Number |
06853010
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
碓井 和弘 札幌学院大学, 商学部, 講師 (20213423)
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Keywords | 流通変容メカニズム / 配給システム / 通運事業 / 流通インフラ / 貿易インフラ |
Research Abstract |
19世紀末より100年にわたる朝鮮半島の史的分析を行うことにより,流通変容メカニズムの原理論的解明を試みる,というのが本研究の目的であった。その具体的研究内容は,次の2点である。第一に,政治の動向が流通行動や流通構造にいかなる変化をもたらし,それが流通成果に具体的にどのように現れてきたのか,を明らかにすること。第二に,流通業の形態変化をもたらす環境要因のさらなる解明として,流通技術の移入を検討する。 この研究目的・内容にそって,「朝鮮貿易協会」と「小運送(通運)業界の成立・紛争・統制」を調査した。そのために,関東では国立国会図書館,学習院大学,東京大学,日通総研,運輸調査局,中部では四方文庫,関西では京都大学,天理大学,青丘文庫,を中心に文献収集につとめた。 その成果として前者の「朝鮮貿易協会」は,既に紀要『札幌学院商経論集』に掲載し公表することができた。日韓併合後,流通業者は「探索機能を伴った需給斉合の担い手」から,日本政府の国策によってブロック経済でのいわば「配給業者」に変容したが,そのプロセスをこの論文において具体的に示すことができた。 後者の「小運送(通運)業界の成立・紛争・統制」については既に資料を入手しており,現在取りまとめの段階に入っている。この資料によって,流通インフラが日本内地から朝鮮半島へ移入される過程及びそこでの紛争と統制の内実が明らかになる。これもまた成果を公表するが,平成7年4月脱稿の予定である。
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Research Products
(1 results)