1994 Fiscal Year Annual Research Report
振動格子乱流における乱れエネルギの伝達過程と物質拡散機構の解明
Project/Area Number |
06855022
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 昌典 北見工業大学, 工学部, 助教授 (90199860)
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Keywords | 乱流 / 渦 / 渦度 / 振動格子 / 混合拡散 / 画像処理 |
Research Abstract |
本研究では、主に画像処理を用いた可視化実験について行った。画像処理には、カラー流跡線法を独自に開発し、これを適用した。カラー流跡線法は、写真撮影時の露光時間中に光源の色を変化させることによって、流跡線上の色を時間とともに変化させる方法である。あらかじめ光源の色と時刻の関係を設定しておけば、流跡線の色からトレーサがその点に到達した時刻の判定ができる。したがってこの方法は、逆流を含む複雑な流れにも適用できる。本研究ではカラー流跡線法を用いることによって、振動格子乱流中の二次元平面内の速度ベクトル分布、および渦度分布を求めることができた。その結果、振動格子からの距離と渦度の関係が明らかとなった。本研究で得られた結果を要約すると以下の通りである。 1.カラー流跡線法は、逆流を含む複雑な流れにも適用でき、可視化画像処理には有効な手法である。 2.カラー流跡線法に関する今後の課題としては、明瞭な流跡線撮影法の確立、交差した流跡線の分離、カラー成分解析による変色点判定アルゴリズムの高信頼性化等が挙げられる。 3.振動格子乱流の速度ベクトル分布、渦度分布を明らかにした。その結果、振動格子からの距離が増加すると、渦の平均スケールは大きくなるが、渦度は減少することが確認できた。 4.今後の課題としては、得られた速度ベクトルの時間的変化から、乱流エネルギの伝達過程と渦構造との関係を明らかにすること、および渦のエントレインメント機構から乱流渦による物質拡散機構を明らかにすることが必要であると思われる。
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