1994 Fiscal Year Annual Research Report
学習者特性を独立変数としたモデルを持つマルチメディアテストシステムの開発研究
Project/Area Number |
06858022
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Research Institution | Ashiya University |
Principal Investigator |
赤倉 貴子 芦屋大学, 教育学部, 助教授 (80212398)
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Keywords | 学習者特性 / コンピュータテスト / 教育評価 / システム開発 / システム計画 / マルチメディア / モデル |
Research Abstract |
コンピュータテストの利点は (1)ペーパーテストでは収集できないデータ(回答所要時間,回答履歴など)を収集できる (2)ペーパーテストでは測れない能力・理解度を測定できる ことである。(1)については、すでに先行研究でその成果を示してきたが、ペーパーテストの方がよいと考える学習者もいることから、テスト結果のフィードバック帳票に学習者特性に応じて変化させて配布したところ、コンピュータテストを積極的にとらえる学習者が増えることがわかった。すなわち「適応型フィードバック機能を持つコンピュータテストシステム」である。これによってコンピュータテストを実施できる範囲が広がったと考えられたので、(1)の成果を取り入れた(2)の実現を目指した。 これまでのコンピュータテストシステムでは「文字情報」のみを扱ってきたが、本研究では「画像情報」を扱うテストシステムを開発した。このテストシステムは、立体に対する三面図を選択するような問題をおいて、学習者が誤答の場合に、従来のペーパーテストでは(A)立体そのものをイメージできないのか(B)三面図への変換能力がないのか、判断できなかった、という欠点を補うものである。つまり、出題される立体(ペーパーテストでは、2次元平面に斜投影図または等角投影図などで描くしかない)に、3次元のデータを与え、それを回転させてみることができるようにしているので、もし回転させてみても誤答であるならば、(A)(B)の能力がともにないと判断できるが、回転させた場合にのみ、正答であれば、(A)の能力はないが(B)の能力はあると判断できるのである。これは、コンピュータテストの利点の(2)にあたるが、本研究では、「画像情報」までを扱ったので、今後の課題として、「音声情報」も扱い、マルチメディアテストシステムの利点を追究をしていきたい。
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[Publications] 赤倉貴子・永岡慶三: "学習者特性を考慮した帳票出力システムの評価" 1994年電子情報通信学会秋季大会講演論文集. 6. 420- (1994)
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[Publications] 赤倉貴子・永岡慶三: "立体データを扱うコンピュータテストシステム -学習者特性モデルを持つマルチメディアテストシステムの開発(1)-" 教育工学関連学協会連合第4回全国大会講演論文集. 2. 617-618 (1994)
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[Publications] 赤倉貴子・永岡慶三: "2種の図形変換処理能力の分離評価を行うコンピュータテストシステム -立体のイメージ能力と三面図への変換能力に関して-" 1995年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 情報システム. 313- (1995)
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[Publications] 赤倉貴子・林 圭一: "製図教育における新しい評価システム導入の効果" 日本教育工学会研究報告集. JET95-2. 19-24 (1995)