2006 Fiscal Year Annual Research Report
トキシコゲノミクスの手法を応用した環境汚染物質に対する防御因子の検索と機構の解明
Project/Area Number |
06F05485
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
姫野 誠一郎 徳島文理大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU Jiaming 徳島文理大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属 / トキシコロジー / カドミウム / 輸送 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
金属の毒性発現の機構を調べる上で、近年、トキシコゲノミクスの手法を応用する研究が増加している。本年度の研究においては、まず、トキシコゲノミクスの手法を活用する前段階として、様々な金属化合物を動物に投与し、金属結合蛋白質であるメタロチオネイン(MT)の誘導のパターンに特異性のある金属を検索した。Ag, Pd, Ni, Pbなど、これまでMT誘導機構が詳細には検討されていなかった金属によるMT誘導を調べたところ、Pbを投与したマウスの腎臓において、MT mRNAレベルが明らかに上昇するにもかかわらず、MT蛋白質はほとんど上昇しないことを見出した。そこで、各組織へのPbの蓄積濃度を調べたところ、腎臓にも確かにMTが蓄積していた。しかし、腎臓の可溶性画分を採取し、HPLC/ICP-MSの手法を用いてSpeciation分析を行ったところ、MTが溶出する画分には、PbもZnも検出できなかった。これまで、MT mRNAレベルが上昇する機構のひとつとして、cycloheximideのようなタンパク質合成阻害剤を細胞に添加すると、super-inductionという現象が起こることが知られている。そこで、Pbがタンパク質合成を阻害することによってMT mRNAレベルのみを上昇させている可能性を検討することとした。タンパク質合成の阻害の機構のひとつとして、HRIがeIF2-alphaをリン酸化することによる翻訳機構の停止が知られている。現在、PbがHRIの発現を上昇させるかどうか、また、eIF2-alphaのリン酸化が上昇するかどうかを調べている。また、これら以外の変化を網羅的に調べるために、腎臓からRNAを抽川し、DNA microarrayを行う計画である。
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Research Products
(1 results)