2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 文京 Kyoto University, 人文科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
韓 燕麗 京都大学, 人文科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 華人 / 華僑 / 文学 / 映画 / アイデンティティ |
Research Abstract |
平成19年度に外国人特別研究員は、計画通りに過去一年間の研究の成果をもとに、収集した文学作品および映画作品に対してより精緻な作品分析(テクスト分析と歴史的分析の統合)を行い、さらに、その過程で新たに問題となる部分は並行して前年と同様の方法により、国内外の機関で追加調査を行いました。 2006年7月末から8月頭にかけて、外国人特別研究員は太平洋戦争が勃発した後のアメリカにおける中国系移民の映画製作・受容の実態を調べるために、ワシントンの議会図書館やニューヨークのアメリカ華人博物館へ足を運び、史実の解明に繋がる貴重な一次資料の発掘・収集を行った。そこで収集した資料や映画作品に対してテクスト分析と歴史的分析の統合を行い、2007年9月末に北京大学で行われた「世界海外華人研究学会第六回国際会議」にて、「華僑から華人へ-1933年から1948年までアメリカで製作された中国語映画についての研究」という題で口頭発表を行った。 調査や口頭発表以外、今年度は過去一年間の研究の成果を基に論文の執筆を開始し、研究成果の取りまとめを行った。1950年代から1960年代までの香港と台湾における華人の映画作品を中心に論じた二本の論文-『ファミリー・メロドラマの政治学-1950年代の香港「国片」と変貌する母の表象』と『サウンド・トラックから聞き取れるもめ-言語混交の映画から見る香港人意識の形成と変容』-が、それぞれ中国文芸研究会の機関紙『野草』の第80号(2007年8月)と第81号(2008年2月)に掲載された。さらに、現在のハリウッドで活躍する華人の映画監督について論じた「キャメラの背後のイエロー・フェイス」という題の論文が、『入門・現代ハリウッド映画論集』(人文書院、2008年3月)に発表された。
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Research Products
(4 results)