2006 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得における統語的移動の脳内処理の発達過程
Project/Area Number |
06F06005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 政利 東北大学, 大学院文学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 情浩 東北大学, 大学院文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 第二言語 / 外国語 / fMRI / 脳内神経基盤 / 語順 / 習熟度 / 認知脳科学 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
母語と第二言語の脳内処理を比較したこれまでの研究から、第二言語の初級の学習者では母語と第二言語を理解する際の脳活動がかなり異なり、第二言語を母語と同程度に使いこなす超上級の話者では両言語の処理に関与する脳部位がほぼ同じであることが分かっている。このことから、第二言語の学習過程において、当初は脳内で第二言語を母語と異なる方法で処理しているが、学習が進むにしたがって次第に母語の処理方法に近くなると推測される。この予測を検証するために、韓国語または中国語の母語話者で、日本語を第二言語として学習している初級と上級の話者を対象に、以下の研究を行った。 (1)初級学習者:被験者間の日本語能力レベルを揃えるため、アンケートなどで日本語学習履歴などの詳細な情報をあらかじめ調べた被験者に、6ヶ月間に渡って3回(0ヶ月/3ヶ月/6ヶ月)、統語処理の脳内神経基盤を調べる脳機能計測実験に参加してもらった。実験装置(MRI、脳波計)は現有のものを使用した。実験を行うたびに「日本語能力テスト」を行い、成績の変化を記録し、成績の伸び具合と統語処理の脳活動の信号値変化との相関関係を検証した。データ解析用に新たにパソコンを購入した。 (2)上級学習者:日本の大学に在学中で、滞在歴が2年以上、「日本語能力試験1級」の資格を持っている被験者を対象として脳機能計測実験を行った。実験前に上級者間の日本語能力レベルを揃えるためのアンケートと独自に作成した日本語能力テストを実施した。
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Research Products
(1 results)