2006 Fiscal Year Annual Research Report
縄文時代における植物資源の食糧及び生活資材としての継続的利用の考古植物学的研究
Project/Area Number |
06F06011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 三男 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Minkoo 東北大学, 学術資源研究公開センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 縄文時代 / 炭化材 / 考古学 / 樹種同定 |
Research Abstract |
2006年7月から2007年4月までの研究は概して二つの主題に分けられる。 第一は三内丸山遺跡から出土した炭化材の同定である。同定は三内丸山遺跡の第2屋外炉(グリッドVIII 0-93)から出土した炭化材を対象として実施した。同定された炭化材は全部で75点で、遺跡発掘者によって第2屋外炉の三つの層(5、7、10層)から採取されたものである。樹種はクリ(Castanea crenata)、ヤナギ(Salix spp.)、ニワトコ(Sambucus racemosa)、ノリウツギ(Hydrangea paniculata)、サンショウ(Zanthoxylum spp.)の5種類である。同定された炭化材の組織構造の画像はデジタルカメラを使って撮影し、保管した。この分析は放射性年代測定まで終了し、分析結果の報告準備が完了した。 第二の研究主題は現生の木材を人為的に炭化させ、炭化プロセスによる木材の組織構造の変化を観察するものである。今まで東北大植物園の一帯で約20種類の現生木材を採集し、その一部分からプレパラートを作成し、一部分は人為的に炭化させた。それから、現生木材と炭化材を比較し、炭化による木材の組織構造の変化、質量と体積の減少程度などを観察した。この実験は考古遺跡から出土する炭化材の同定に使われる比較標本を製作するのが第一の目的である。さらに、異なる種類の木材が同じ炭化状態の中でどう変化するかを観察し、炭化材による植生変遷の理解を補完するのを目的とする。
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Research Products
(2 results)