2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト冷戦期における日本の国民的アイデンティティと日露関係
Project/Area Number |
06F06021
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梅森 直之 早稲田大学, 政治経済学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUKH Alexander 早稲田大学, 政治経済学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 外交史・国際関係史 / グローバル・イシュ |
Research Abstract |
・当研究の主たる目的は、日本のナショナル・アイデンティティと外交の形成におけるロシアの地位と役割を、国際的な比較を通じて明らかにすることである。 ・研究代表者である梅森と、研究分担者であるAlexander Bukhは、まず関連資料の収集と、問題意識の整理ならびに研究方法のデザインに取り組んだ。また、研究成果の発表の方法についても協議を重ね、研究分担者のこれまでの研究成果と今後の計画をプロポーザルとしてとりまとめ、英国にあるRoutledge出版社に2007年1月に提出した。同社は、審査の結果、このプロポーザルに基づいた本の出版企画を受け入れ、本研究に関する出版の契約手続きをBukhとの間に締結した。 ・次に梅森とBukhは、2006年11月に行われた国際歴史学会(IAHA)マニラ大会で、当該研究にかかわる研究報告を行った。梅森報告は、日露戦争時における幸徳秋水の反戦思想を主題とするものであり、Bukh報告は、日本の歴史教科書に見るロシアのイメージおよび日ロ関係の記述に関する分析であった。また、Bukhは、2007年3月に行われた国際関係学会(ISA)シカゴ大会にて、当該の主題の理論的分析枠組みに関する報告を行っている。また、Bukhは、当該主題に関する論文をAsian Survey誌に投稿し、受理された。この論文は2007年中に掲載される予定である。 ・最後に梅森とBukhは、ロシアから見た日ロ関係の認識の理解を深めるために、ロシアから日ロ歴史専門家を招き、早稲田大学にて1930年代における日ソ関係に関するワークショップを組織した(2006年9月)。またBukhは、日本とタイのナショナル・アイデンティティの形成過程を比較するために、タイのタマサート大学及びチュラロンコン大学の政治学専門家と共同研究の方法に関する打ち合わせを行った。
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