2007 Fiscal Year Annual Research Report
数理物理に現れる非線形波動方程式に対する解の大域存在と漸近挙動
Project/Area Number |
06F06037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 誉志雄 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUH Hyungjin 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 非線形分散型方程式 / フーリエ制限法 / エネルギークラス / 解の大域存在 / 解の一意性 / 初期値問題 |
Research Abstract |
数理物理学から現れる非荒形波動方程式はエネルギー保存則を持つため,エネルギー法と呼ばれる高階のエネルギーを評価する方法により,古典解(滑らかな解)の存在と一意性が研究されてきた.その際重要な役割を果たすのは,ソボレフの埋蔵定理でありこれは一般の関数に成立する不等式であるため,個別の方程式の性質を使っているとは言えなかった.1977年にStrichartz評価式が開発され非線形波動方程式に応用されるようになると,大きな進展が見られたが,Strichartz評価式は線形方程式の評価式であるため,まだ非線形項の性質を十分に利用している状況ではなかった.1980年代後半から1990年代前半にかけて,Klainerman and Machedon,Bourgain,Kenig,Ponce and Vega,Taoらにより,フーリエ制限定理の証明方法を直接非線形項に適用して,非線形項の構造をより深く解析する手法が開発された.このような背景をもとに,今回はフーリエ制限法と呼ばれるこの解析方法を用いることにより,非線形波動方程式および非線形分散型方程式の研究を行った.具体的には,チャーン・サイモンゲージシュレディンガー方程式(Chern-Simonsgauged Schrodinger equation)の初期値問題に対し,エネルギークラスの解の大域存在と一意性を証明することに成功しだ.
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Research Products
(3 results)