2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 大学院理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PILARCZYK Pawel 京都大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 力学系 / モース分解 / アルゴリズム / Conley指数 / 分岐枝の追跡 / 分岐 / 鎖回帰的 / 勾配的力学系 |
Research Abstract |
ユークリッド空間のコンパクト集合上で定義された連続写像の定める力学系の多重パラメータ族の解析のための計算的方法を開発し,そのアルゴリズムとそれに関するいくつかの技術的問題を研究した.この方法は時間t写像を考えれば流れに対しても適用可能である.力学系の相空間の離散化は,ある固定した長方形格子に分割し,各格子長方形の像の格子を考えることで,元の写像を集合値写像による囲い込みとして得られる.この集合値写像による1つの長方形格子の像は,その長方形のもとの写像による像を含む長方形たちの集合となる.このような囲い込みは区間演算を用いた精度保証付き計算によって計算機で求められる.さらにこの集合値写像によって表現される力学系の解析は,[H.Ban, W.Kalies]に見られるようなDFS(深さ優先探索)に基づく高速のグラフアルゴリズムを用いてなされる.このアルゴリズムを用いて,力学系のConley-Morse分解が計算できる.すなわち,力学系の鎖回帰集合が求められて,それが集合値写像の表すグラフの強連結成分に対応するMorse集合に分解され,またそれらMorse集合たちをのぞいた残りの部分は強勾配的になることがわかる.それぞれのMorse集合に対する力学系的性質についての情報はそれらのConley指数として得られる.Morse集合の上記のような構成から,Conley指数を計算する際に基本的な指数対については,これまでよりも弱い定義を採用する必要があり,そのために指数写像からホモロジーをとることによって誘導される準同型写像の計算には工夫が必要となる.この工夫のための方法は[P.Pilarczyk, K.Stolot]によって最近,確立した.力学系のパラメータ族における以上のよっな構造の持続性や変化をしらべるために,C++による効率的なアルゴリズムも開発した.それを用いるとMorse分解が計算され,そのパラメータの変化による持続性が計算機によって自動的に証明され,分岐集合が得られる.ここではCAPDライブラリやCHomPライブラリなどの高度なプログラムが用いられている.これを年齢構造を持つ生物個体数モデルとして知られるLeslieモデルに適用し,この方法の有効性を検討した.いくつかの間題点も明らかになっており,それは今後の検討課題である.
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Research Products
(1 results)