2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAWEL Pilarczyk 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 力学系 / モース分解 / Conley指数 / 位相計算 / グラフアルゴリズム / 分岐 / 区間演算 / 大域的構造 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,ユークリッド空間のコンパクト集合上で定義された連続写像の定める力学系の多重パラメータ族の解析のための計算的方法を開発し,そのアルゴリズムとそれに関するいくつかの技術的問題を研究した.力学系の相空間の離散化は,ある固定した長方形格子に分割し,各格子長方形の像の格子を考えることで,元の写像を組み合わせ多価写像による囲い込みとして得られる,このような囲い込みは区間演算を用いた精度保証付き計算によって計算機で求められる.さらにこの組み合わせ多価写像を有向グラフとして表現することで,DFS(深さ優先探索)などの高速のグラフアルゴリズムを用いて力学系のConley-Morse分解が計算できる.それぞれのMorse集合に対する力学系的性質についての情報はそれらのConley指数として得られるが,その計算において,誘導される準同型写像の計算に工夫が必要となる.これは[P.Pilarczyk,K.Stolot]によって最近,確立した.力学系のパラメータ族における以上のような構造の持続性や変化をしらべるために,C++による効率的なアルゴリズムも開発した,それを用いるとMorse分解が計算され,そのパラメータの変化による持続性が計算機によって自動的に証明され,分岐についての情報が得られる.ここではCAPDライブラリやCHomPライブラリなどの高度なプログラムが用いられている.これを年齢構造を持つ生物個体数モデルとして知られるLeslieモデルに適用し,この方法の有効性を検討した.この結果については目下,論文を準備中である,一方で,このような力学系のグラフ表現に写像の微分の情報を付加することにより,より精密な力学系の情報が得られることがある.このようなアイディアに基づいて,区間上の2次関数の定める力学系の臨界点近傍の外での一様な拡大性を,上述のような計算機援用解析により示した.この結果は現在,投稿中である.
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Research Products
(2 results)