2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06042
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
太田 信義 近畿大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUO Zong-kuan 近畿大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 素粒子論 / 超弦理論 / インフレーション宇宙 / 密度揺らぎ / ダークエネルギー / ダークマター |
Research Abstract |
素粒子及び重力理論の分野の大きな課題である、重力の量子論とその物理的な帰結について研究を行いました。その有力な候補である超弦理論は高い次元で定義されているので、それを物理的に解釈するには余分な次元をコンパクト化する必要があります。本研究計画では、超弦理論の低エネルギー有効相互作用である超重力理論による宇宙模型の構築とその検証についての研究を行いました。具体的な研究内容とその成果は以下の通りです。 1.超新星爆発のデータを用いて、宇宙の現在の加速膨張を引き起こしているダークエネルギーを作り出している物質のポテンシャルを直接求める一般的方法を開発し、その結果として得られるポテンシャルを求めました。この成果はすでに学術論文として書き、学術雑誌Modern Physics Letters Aに掲載されています。 2.超弦理論の低エネルギー有効理論に高次量子補正がある場合に、宇宙の密度揺らぎを評価し、それと観測事実から知られているスケール不変な密度揺らぎが得られる可能性について検討し、ある場合にはそれがかのうであることを示しました。これは学術雑誌Physical Review Dに掲載されました。 3.現在の宇宙にはダークエネルギーとダークマターが同程度の量存在していることが観測の結果わかっています。この事実を説明するために、これらの間に相互作用が存在することを仮定し、観測からその相互作用に対する制限を求めました。その結果、相互作用がないとしても矛盾はないが、ダークマターからダークエネルギーへエネルギーが少し流れる形が観測事実とよりよく一致することを発見しました。これは現在学術雑誌に投稿中です。
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Research Products
(2 results)