2007 Fiscal Year Annual Research Report
Belle実験におけるB中間子崩壊およびCP非保存の研究
Project/Area Number |
06F06044
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
堺井 義秀 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KROKOVNYY Pavel 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | CP非保存 / ユニタリー三角形の角φ_3 / Bファクトリー / Dalitz plot解析 / CKM matrix |
Research Abstract |
高エネルギー加速器研究機構(KEK)B-ファクトリー加速器は1999年に稼動して以来、改良を重ねて現在世界最高のルミノシティで稼動している。Belle実験はこれまでB中間子でのCP非保存の発見等、数多くの成果を上げてきた。Krokovny氏はCP非保存の測定を用いたユニタリー三角形の角φ_3の測定の解析を中心とする、「φ_3解析グループ」のリーダーとしてさらにφ_3の測定の解析を推し進めた。 Belle実験ではφ_3の測定の新しい方法としてB→D^0K崩壊においてD^0→Ksπ^+π^-崩壊のDalitz plot解析をCP非保存の解析に応用する方法を開発し結果を発表した。本年度は、前回の386x10^6個のB中間子対のデータの結果をさらにデータを増やして657x10^6個のB中間子対のデータを使って精度を上げた測定を行い3月の国際会議で発表した。この方法は今のところ最も精度の良いφ_3の測定結果を与える。また、B→DK崩壊のADS法を用いた解析を進め657x10^6個のB中間子対のデータにより得られた結果を2月の国際会議で発表した。この結果は、Physical Review D誌に投稿された(現在査読中)。 また、φ_3の測定に関係するB→D^<*+>π^0崩壊の探索の解析を進めてきたが、657×10^6個のB中間子対のデータを使って結果を得た。有意な信号は観測されなかったが、崩壊分岐比の上限値を求めた。これは、この崩壊モードの世界で初めての測定結果であり、Physical Review Letter誌に投稿された(これも現在査読中である)。 さらに、現在B^0→KsK^+K^-崩壊の崩壊時間依存を含むDalitz plot解析によりCP非保存パラメータを測定する解析を進めている。
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Research Products
(4 results)