2006 Fiscal Year Annual Research Report
クラスレート、Ce及びYb化合物における新規熱電変換物質の探索
Project/Area Number |
06F06049
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高畠 敏郎 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AVILA Marcos de Abreu 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 熱電変換 / クラスレート化合物 / 希土類化合物 / 熱伝導率 / 単結晶 |
Research Abstract |
新規なクラスレート,Ce及びYb化合物を創製し,その熱電物性を研究した。 1.電荷キャリア及びカゴサイズを制御したクラスレート単結晶の育成と熱伝導率抑制機能の解明 Ba_8Ga_<16>X_<30>(X=Sn,Ge),Eu_8Ga_<16>Ge_<30>,Sr_8Ga_<16>(Si_<30-x>Ge_x)の良質単結晶をフラックス法で作製した。X=SnではVIII型に加えてI型の存在を発見した。比熱、熱伝導率、ラマン散乱、超音波吸収などの実験を実施した。その解析から,ゲストとカゴのサイズ差が大きいほどラットリング振動の非調和性が増加し,それが熱伝導を抑制することを明らかにした。特に1型のBa_8Ga_<16>Sn_<30>の熱伝導率は,これまでに報告されているI型の内で最小であることを見出した。 2.希土類イオンを内包するクラスレート化合物の合成と磁気・熱電物性の研究 Eu_8Ga_<16>Ge_<30>のGeを共有結合半径の小さなSiで置換することによって,カゴの体積を連続的に減少させることに成功した。この体積減少に伴ってEuの磁気モーメントが僅かに減少することを確認した。 3.Ce及びYbを含む新規化合物の探索と熱電物性の研究 4f電子と遍歴的3d電子を併せ持つ重い電子系化合物であるYbNiSi_3の良質単結晶を育成し,その磁性を磁場で抑制したときの量子臨界現象を調べた。磁気容易軸であるb軸方向に磁場を印加すると,8.5Tで反強磁性が消滅するが,非フェルミ液体的挙動は出現しなかった。 これらの果を国際熱電会議及び日本物理学会で発表し、情報を収集した。
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Research Products
(6 results)