2006 Fiscal Year Annual Research Report
プレート沈み込み域における巨大地震破壊過程の新たな解明
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06F06051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木股 文昭 名古屋大学, 大学院環境学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MEILANO Irwan 名古屋大学, 環境学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Rupture process / Sumatra earthquake / Jogjakarta earthquake |
Research Abstract |
1.2006年インドネシア・ジョグジャカルタ地震のメカニズムと歴史地震 2006年5月27日、インドネシアのジョグジャカルタ州に起きたMw6.5の地震は、死者5800人、負傷者3万人の大被害を与え、全壊半壊家屋は20万戸におよんだ。 本震の8日後から4日間、臨時観測点6カ所に3成分地震計設置し、余震観測を実施した。余震は数千個記録されたが、そのうち全点に記録される比較的大きな震源を決定した。 この地震の臨時余震観測を実施し、余震がほぼオパック断層に沿い、長さ20km、深さ10kmの広がりを示すことがわかった。また、P波逆問題で求めた、断層面上のすべりは、深さ10km程度にほぼ点震源のように広がるのがわかる。被害は、オパック断層に沿い、かつ断層の西側のバンツール県に集中した。さらに、断層に沿い、50km程度に伸びたが、これは堆積層により地震動が増幅されたことによると思われる。また、最大震度は気象庁で6弱程度と推定される。ジャワ島では、地震活動は相対的に低く、超低頻度の災害への対応策が必要であろう。 2.2004年スマトラ地震の余効変動の評価 複雑な沈み込む様式を呈するスマトラ-アンダマン地域では,異なるセグメントの間で破壊が誘発され,破壊領域が拡大していった可能性があります.破壊領域の最南端部分は北方向への破壊を誘発したと考えられます. スマトラ-アンダマン地震の破壊開始地点である最南端部分の破壊様式を調べるために,我々は2005年2月よりアチェ付近を中心とするGPSキャンペーン観測を実施してきました.破壊領域に近い場所で得られる変位量は,2004年12月26日に発生したスマトラ-アンダマン地震のすべり分布を解明する重要な手がかりを与えてくれます. 陸域には土地を管理するための基準点として地震発生前からGPS観測データの蓄積があり,破壊領域付近において比較的密な観測網になっていました.主破壊領域の北東300kmに位置するGPS観測点は水平方向に最大3mの変位が観測されたことが明らかとなりました. 我々の結果から,スマトラ-アンダマン地震は複数の小さな地震の集合体であり,それぞれの領域が次々と誘発されて破壊領域が広がっていったことが示唆されます.
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Aftershock locations and rupture characteristics of the 2006 May 27, Yogyakarta-Indonesia earthquake2006
Author(s)
M.Irwan, Ando, M., Kimata, F., Tadokoro, K., Nakamichi, H., Okuda, T.
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Journal Title
American Geophysical Union, Fall Meeting T41
Pages: F-06