2007 Fiscal Year Annual Research Report
中国レス中期更新統のマイクロテクタイトとM-B地磁気逆転の層序学的研究
Project/Area Number |
06F06054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
兵頭 政幸 Kobe University, 内海域環境教育研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Tianshui 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 古地磁気学 / 第四紀 / 中国レス / ショートイベント / 地磁気エクスカーション / 地磁気逆転 |
Research Abstract |
中国黄土高原のBaojiとXifengの2個所において高さ2cm間隔の高密度で採取したレス・古土壌試料の古地磁気分析を行った。弱く土壌化した試料からは段階熱消磁および交流消磁のどちらも容易に初生磁化が取り出せることが分かった。一方、強く土壌化した試料から初生磁化を抽出するには熱消磁だけが有効で、交流消磁は使えないことが分かった。仮想地磁気極(VGP)が赤道を横切る場合を極性スイングと定義すると、マツヤマ-ブリュンヌ地磁気極性境界では15回の極性スイングが起こったことが分かる。岩石磁気実験、磁化率異方性の実験によって、15回の極性スイングが岩石磁気学的・堆積学的要因で起こったものではないことを実証できた。ハラミヨ上限とマツヤマ-ブリュンヌ境界の間を堆積速度一定と仮定して年代を推定すると、XifengとBaoliにおける地磁気逆転トランジションは約1万年以上にわたることが分かった。また、各スイングの期間は300年から5600年までと幅広く分布している。本研究結果とこれまでに我々のグループが報告している大阪湾の堆積物コアのデータと中国レスからの他のグループが報告している結果を合わせると、マツヤマーブリュンヌ境界では複数の極性スイングが起こったことは間違いない。また、逆転の継続期間もかなり長いことが分かる。 最後の地磁気逆転の地磁気変動の詳細な挙動が解明され、最近さかんに行われているダイナモシミュレーションの新たな制約を与える結果となった。この結果は現在Geophysical J. Internationalに投稿中である。
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