2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面地形のリモートセンシング・水理地質学的解析による火星表層水圏進化の研究
Project/Area Number |
06F06056
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐々木 晶 国立天文台, RISE推進室, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PALMERO RODRIGEUZ Jose Alexis 国立天文台, RISE推, 外国人特別研究員
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Keywords | 火星 / アウトフロウチャネル / カオス地形 / 地下水脈 / リンクルリッジ / 表層水圏進化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
最近のMars Global SurveyorやMars Express探査機によって取得された、火星表面地形の詳細リモートセンシングデータの、水理地質学的解析から、数10億年前の火星表面の水圏進化を求めることが本研究の主題である。リモートセンシングデータを比較するため、地球上の乾燥地域の陸水地形の研究も行う。特に、火星のアウトフロウチャネルと呼ばれる大洪水地形の源地域の陥没地形であるカオス領域を詳細に解析することにより、水の量、放出期間などの情報を得て、火星表面に海が存在したかどうかという情報も得ることを当初の目的としていた。 SimudおよびTiuアウトフロウチャネルの形成を、水理地質学的に解析を行い、Hydraotesからのデブリ流によるものであることを示した。また、Ganges Chasmaの陥没地形の解析から、マグマ活動による地下の加熱、地下のクラスレートの分解による揮発性物質の噴出が起きたことを推定した。これらの研究はすでに雑誌に投稿され、受理されている。 このような火星の過去の環境解析に関連した水理地質学的研究の他に、新たに現在の火星の風成地形のリモートセンシング解析を開始している。極冠域でのアルベドの変化が、堆積層起源の細かな物質が風により輸送される現象で説明できることを示した。この研究では、南米の乾燥地域の塩湖由来物質が風で輸送されてストリークを作る現象の調査、リモートセンシング解析が役立っている。
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Research Products
(2 results)