2007 Fiscal Year Annual Research Report
表面地形のリモートセンシング・水理地質学的解析による火星表層水圏進化の研究
Project/Area Number |
06F06056
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐々木 晶 National Astronomical Observatory of Japan, RISE推進室, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PALMERO RODRIGUEZ Jose Al 国立天文台, RISE推進室, 外国人特別研究員
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Keywords | 火星 / アウトフロウチャンネル / カオス地形 / 地下水脈 / リンクルリッジ / 表層水圏進化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
最近の火星探査機によって取得された、火星表面地形の詳細データの水理地質学的解析から、数10億年前の火星表面の水圏進化を求めることが本研究の主題である。リモートセンシングデータを比較するため、地球上の乾燥地域の陸水地形の研究も行う。特に、火星のアウトフロウチャンネルと呼ばれる大洪水地形の源地域の陥没地形であるカオス領域を詳細に解析することにより、水の量、放出期間などの情報を得て、火星表面に海が存在したかどうかという情報も得ることを当初の目的としていた。 今年度の研究により、今から30-40億年前の火星での流水活動には大きくわけて2つのパターンがあることが明らかになった。これまでに論じられていたような大規模な地下の空洞の崩壊に伴う、大量の水の流出によるアウトフロウチャンネルの形成のほかに、地下水脈を通じての地下水の湧出にともなう、比較的ゆっくりとした量の少ない流出があることがわかった。地下水流出の場であるカオスと呼ばれる大規模崩壊地形にも、崩壊進行のパターンが見られるもの、崩壊途中で終わったものなども見られることを明らかにした。また、地下水脈には地下に埋没したクレーターや、断層地形が大きな役割を果たしていることも明らかにした。また、実際に地下水流出と洪水流が地形形成に重要な役割を果たしている、地球上の火山地域(インドネシア)の野外調査を行い、火星表面にある類似の地形の成因プロセスを調べた。
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Research Products
(5 results)