2006 Fiscal Year Annual Research Report
南・東アジアにおける有機エアロゾルの組成と雲凝結特性への寄与
Project/Area Number |
06F06057
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河村 公隆 北海道大学, 低温科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAVULURI Chandra Mouli 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 大気化学 / エアロゾル / ジカルボン酸 / 光化学的変質 / エイジング / 水溶性成分 / 吸湿特性 / 雲凝結核 |
Research Abstract |
平成18年度には、インド(Chennai)においてエアロゾル試料を採取し、その有機物分析を開始した。これまで、5つの試料についてカルボン酸を中心とする有機物組成の解析をブチルエスエル誘導体化・ガスクロマトグラフ法により行った。低分子ジカルボン酸の分布を測定しているが、その結果がまとまった段階で、インドでの最初の論文として国際誌に投稿予定である。また、炭化水素、糖類、脂肪酸などの有機物および無機成分(主要イオン)の組成をGC, ICにより測定する準備を行った。光化学的反応により生成された低分子ジカルボン酸の安定炭素同位体比を質量分析計にて測定し、光化学的変質の程度を評価する実験の準備も行った。 また、ジカルボン酸の分解の際におこる同位体分別を室内実験で評価するために、過酸化水素を含んだ水溶液にジカルボン酸を加え、紫外線を照射する反応実験を開始した。反応後、過剰の過酸化水素を除去するためにカタラーゼによる分解・除去を検討した。その結果、この方法により反応後のジカルボン酸のエステル化を過酸化水素の妨害を受けることなく実施できることが確認できた。現在、この方法を使って、過酸化水素・紫外線存在下でのジカルボン酸の分解実験を行っている。照射後のジカルボン酸の同位体比の測定をGC/IRMSで測定中である。
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Research Products
(8 results)