2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNA鎖中の(CAG)nリピート配列を認識する低分子リガンドの創製に関する研究
Project/Area Number |
06F06061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 Osaka University, 産業科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Hanping 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Research Abstract |
代表的なトリプレットリピート病であるポリグルタミン病(ハンチントン病)は、遺伝子翻訳領域にあるCAGトリプレット配列の伸長が原因となることが知られており、転写、翻訳の過程において発症を抑える手法の探索、確立が望まれている。我々はCAGリピートが形成するヘアピンニ次構造にA-Aミスマッチ塩基対が多数生じることに着目し、CAGヘアピンに特異的に結合する分子を世界にさきがけて開発した。(Nature Chemical Biologyの創刊号に掲載) 本申請研究では、我々が開発したd(CAG)nリピートに結合する分子を改良することにより、CAGリピートがmRNAに転写された際に生じるRNA(CAG)nリピートに、ヘアピン構造を形成して特異的に結合する分子の開発を目指した。リピートDNAやRNAに結合する分子の合成を行った。ナフチリジンを従来とは違うサイドでに良化した分子、即ち、リンカー中央のアミノ基が核酸と結合した場合にマイナーグルーブ側に位置する分子を設計・合成した。それぞれのユニットは、既に合成が終わっている臭化物とアルデヒド体からそれぞれ数工程で合成した。合成した改良型分子を用いて、d(CGG)n,r(CGG)nへの結合を表面プラズモン共鳴測定により考察した。長さの異なるd(CGG)nにより、表面プラズモン共鳴シグナルの顕著な変化を観測した。また、その下流にGFPをクローニングしたベクターを準備し、in vitro転写翻訳系で改良型分子の添加によるGFP発現量をリピートの長さ、改良型分子の濃度等の要因を十分に勘案した条件により定量的に評価している。
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