2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子性固体の光物性予測のためのオーダーN量子分子動力学法の開発
Project/Area Number |
06F06065
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POMOGAEV Vladimir 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | Elongation法 / 非経験的分子軌道計算 / 密度汎関数法 / スペクトロスコピー / ポリメチルメタクリエート / CADMA |
Research Abstract |
高分子鎖の中心部に芳香族化合物が付加している系に対する、開発中のGAMESS-Elongation法の適用性を調べるために、鎖の両サイドから高分子鎖を伸長させ、そのあと最後に中心部に芳香族化合物とドッキングさせる計算を行った。ポリメチルメタクリレート(C5H802とCC(=C)C(=0)OCをもつPMMA{methyl methacrylate is 2-(methoxycarbonyl)-1-propene})を、目的とする系の左右両サイドからElongation法により伸長したあと、CADMA{4-(10-cyano-9-anthracenyl methy1)-N, N-dimethylaniline or its reduced form 9-cyanoanthracence}およびlaser dye DCM{4-dicyanomethylene-2-methyl-6-P-dimethylamino-styryl-4H-pyran and its substituted pyran}を中心部にぶら下げる。あるいは、PMMAの中心部のメチル基と置換させる。 中心部を付ける前のオリゴマーに対して、まずGAMESS-Elongation法と通常のGAMESSとの比較により、良好な全エネルギーの一致を確認することができたため、一方向のみならず、高分子鎖の両サイドから伸長する方法でも計算可能であることを確かめることができた。 次の段階として、両末端から伸長したオリゴマーの領域局在化軌道(RLMO)を、最後に中心部でCADMAなど他の分子と連結した上で、その部分のRLMOを抜き出してINDO/Sなど半経験的なスペクトロスコピーを計算するためのプログラムに送り込み、励起エネルギー等を求められるように改良中である。これと平行して、クロモファー中心などのスペクトロスコピーを計算によって求めるための応用として、高分子鎖の近傍に局所的存在する分子のもとで、高分子鎖の構造最適化が可能となるようプログラム開発を行っている。攻撃付加分子とFrozen部分のRLMOの間の軌道直交性を保つような構造最適化計算手法を導入し、最適化構造が精度よく得られる手法の開発を始めているところである。
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