2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06F06073
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山田 康治 Nihon University, 生産工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHAMAD Ahmad 日本大学, 生産工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 臭化リチウム / インジウム / 岩塩型構造 / スピネル構造 / イオン伝導 / リートベルド解析 / 7Li NMR / 115In NMR |
Research Abstract |
臭化リチウムとMBr_3の反応で得られるLi_3MBr_6は基本的には最密充填した臭化物イオンの八面体間隙にIn^<3+>が入る構造である。この構造は3つのLi^+を1つのM^<3+>と2つの空孔で置換した構造であるとみなすことができ、多くの空孔を岩塩型構造に導入することができLi^+による高いイオン伝導性が期待できる。今回は伝導機構を比較するためLi_3InBr_6とLi_3YBr_6を合成し、高分解能粉末X線回折パターンのリートベルド解析を行った。その結果、Li_3InBr_6とLi_3YBr_6は同型の構造をとるが、Li^+のイオン半径(0.76Å)がIn^<3+>のイオン半径(0.79Å)に非常に近く両者の間にカチオン分布の乱れが発生しているものと想像できる。一方、Y^<3+>のイオン半径(0.90Å)はLi^+のイオン半径に比べかなり大きく両者のあだでカチオン分布に乱れが発生しない。その結果、Li_3InBr_6ではイオン伝導に適した層が形成されるが、Li_3YBr_6ではイオン伝導に適し広がった八面体間隙をもつ層はすべてLi^+で占有されイオン伝導性が上昇しないものと考えられる。また^<115>In NMRによりIn^<3+>が岩塩型LiBrにおけるカチオンのサイトを占有していることを確認した。 このようにLi_3InBr_6はリチウムのイオン伝導に適した層状の構造であり、またその伝導機構を想像することができた。しかしながら強い吸湿性や結晶表面における水和物の形成など問題も多く、イオン伝導度に関してはより信頼できる詳細な実験と検討が必要であることも明らかとなった。
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Research Products
(4 results)