2006 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ナノゲルを有機相とするHPLC光学分割材の開発
Project/Area Number |
06F06076
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHAMAN Mohammed Mizanur 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 光学分割 / 不斉分子 / キラル固定相 / grafting from法 / シリカ |
Research Abstract |
本研究では,不斉ナノゲルを有機相とするHPLC光学分割剤の開発を目的とする。具体的にはL-フェニルアラニン誘導体に重合性官能基を導入した光学活性モノマーを作製し,その後,開始剤を修飾させたシリカ表面に"grafting from"法により重合することで,光学活性ポリマーをグラフト化し,新規な光学分割剤の作製を行う。本年度は重合性基であるビニル基をエステル結合またはアミド結合を介して導入したL一フェニルアラニン誘導体モノマーを2種類合成した。 【エステル型レフェニルアラニン誘導ビニルモノマーの合成】 L-フェニルアラニンにZ-Clを用いて保護した後,シアノリン酸ジエチルを用いて,ステアリルアミンと縮合させ,長鎖アルキル基を導入した。脱Z化後,γ-ブチロラクトンと反応させ,さらにアクリロイルクロライドと反応させることでビニル基を導入し,目的の化合物を得た。 【アミド型L-フェニルアラニン誘導ビニルモノマーの合成】 スペーサーとして用いるβ一アラニンにZ-Clを用いて保護した後(β-Ala-Z),C18-Pheと縮合させた。その後,Z基の脱保護を行い,さらにアクリロイルクロライドと反応させることでビニル基を導入し,目的の化合物を得た。 合成物は^1H-NMR, FT-IR, TOF-MS,元素分析,融点測定により確認した。 今後,"grafting from"法により,目的の化合物をシリカ粒子表面にグラフト化するとともに,得られた不斉ナノゲル固定化微粒子を用いて光学分割能の評価を行う予定である。キラル分子から誘導された固定相は光学分割剤として特異的な選択能を発揮すると期待できる。
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