2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体中の形状を制御した無機機能性ナノマテリアルの合成
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06F06080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 岳彦 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Jinhu 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 中空型微粒子 / ナノロッド / セルフアセンブリー / 界面活性剤 / バブルテンプレート |
Research Abstract |
遷移金属酸化物のナノ結晶の合成は、様々な物性発現の点から現在注目を受けている分野である。特に、サイズ、形状を制御する方法を確立すること、そしてそれらによって、物性や、触媒反応の反応性を制御することができると、基礎的な発展としてのみならず、実用的な観点からの新規材料としての応用まで期待される。水熱合成プロセスによりコバルト酸化物、水酸化物の形状制御の研究を行なった。具体的には、コバルト塩化物を過酸化水素水で酸化するとともに、共存する界面活性剤分子の選択、共存する極性有機分子の選択および量のコントロールにより様々な実験条件を検討した。合成したナノ粒子について、XRD、TEM,SEMの測定を行なった。界面活性剤としてCTACを用い、溶媒としては、DMFとアセトニトリルを共存させる条件で、塩化コバルトを過酸化水素水で酸化するという条件で、中空型のナノ粒子の合成が確認された。XRDから、CoOOHであると同定された。また、TEMにより、電子回折を測定したところ、中空型粒子を構成するロッドはCoOOHの単結晶ナノロッドであることがわかった。テフロンオートクレープ中の過酸化水素水は、30気圧程度の高い酸素分圧を示す。また合成終了後にも微細気泡が多数認められる。このことから、これらのバブルがテンプレートとなり、CTACにより、ナノロッド同士がアセンブルされて、中空型ナノ粒子が生成した、という機構を提案した。
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